2008年10月04日
地産地消2
9月のファミリーツーリズム研究会で武雄温泉のN旅館のT社長から最近地産地消とは別に持参自消が増えてきたとの報告
があった。お客さんが自分が持参した食材を旅館で調理して提供するというものだ。T社長は武雄温泉の中心的人物であり、
幅広い活躍をされている方であるが情熱があり、熱心なだけに行政に対しては時に厳しい意見もあり、武雄市職員にとっては
天敵、クレーマーかもしれない。嬉野の旅館関係者とは交流もあり、自分もよくお会いするが幅広い見識を持たれている。武雄
市には、嬉野の茶業のような全国に名の知れた農産物こそないが幅広い作物が生産され農業も盛んであるため地産地消もや
りやすいと思われる。最近話題のレモングラスについても市を挙げて取り組まれているが、発端は嬉野で市議を務める茶生産
者が樋渡市長に提案したのが始まりだ。地元で生産されたレモングラスやイノシシ肉を武雄温泉の旅館・ホテルにて提供す
る。発想は理解できるし、地産地消の狙いもあるだろう。しかし主役となるべき旅館・ホテルの意向や経営コストとの兼ね合
い、何よりも武雄温泉に来てくださる観光客の方々の反応はどうだろうか。山間部に位置する温泉地ならともかく盆地で近代的
なまちなみもある武雄温泉に来てイノシシを食べたいと思うだろうか。イノシシ肉よりも若楠ポークの方が好まれはしないか。そ
んなことを思いながら地産地消のあり方を考えている。嬉野温泉の旅館・ホテルでは10月から100%地元産の大豆を使った
温泉湯どうふの提供が始められた。嬉野温泉湯どうふとは、嬉野温泉のやわらかく、なめらかなお湯と豆腐のにがりが絶妙に
マッチした嬉野温泉ならでわの逸品で健康にも良く、観光客に人気が高い。ところが人気が高まってくるとあちこちに湯豆腐の
まがいもの商品が出てきたり、市外業者に商標登録までされるなど嬉野の方々が永年磨き、築き上げてきたブランド横取りや
市場の侵食が行われるようになってきた。
地域には、歴史や文化、伝統があり、地域が培ってきた遺伝子があると思う。ブランドづくりはビジネス面での独占や他地域か
らの締め出しを狙ったものではなく、嬉野という地域には多くの観光客が来てくださり、温泉湯どうふも召し上がっていただく。
せっかく嬉野に来てくださる観光客から嬉野という地域、観光地として預かる憧れや信頼に対してどう答えていくかということを
考えるときにまがいものは出せない。つまりいかに儲けるかではなく、観光地としての嬉野温泉に来てくださるお客さんの憧れ
と信頼に答えるためにもブランドづくりは譲れない。
嬉野温泉観光協会では2年前から嬉野温泉湯どうふ振興協議会を立ち上げ、ブランドづくりのため安全、安心で高品質の地元
産大豆の使用やラベル、パッケージの統一など様々な協議が重ねられ、地元産大豆の使用や市で所有する商標を使用した
パッケージの使用などが定められてきた。
これを実現に至ったのは嬉野温泉観光協会と嬉野温泉旅館組合の2団体のトップを務める嬉野温泉観光ホテル大正屋常務
取締役山口保さんの卓越した指導力と先見性によるものが大きい。温泉湯どうふについては永い期間独自に研究され著書ま
で書かれるほどでその知識、経験は他の追随を許さない。
嬉野温泉湯どうふの振興については、観光事業者を中心に民間事業者の方々のたゆまぬ努力によるところが大きく、行政は
側面からの支援にとどまっている。しかしそれでいい。それが本来のあり方で現場とのギャップはない。行政が何かを行って現
場に持ち込むのではない。行政と距離をおくのでもない。むしろ行政に対して働きかけを行わなければならない。
誰のためのブランドづくりか。誰のためのまちづくりか。それを念頭におき常に自主性を貫くことがポイントだ。
行政に頼るなではなく、行政にあまり頼るなということを感じている。
があった。お客さんが自分が持参した食材を旅館で調理して提供するというものだ。T社長は武雄温泉の中心的人物であり、
幅広い活躍をされている方であるが情熱があり、熱心なだけに行政に対しては時に厳しい意見もあり、武雄市職員にとっては
天敵、クレーマーかもしれない。嬉野の旅館関係者とは交流もあり、自分もよくお会いするが幅広い見識を持たれている。武雄
市には、嬉野の茶業のような全国に名の知れた農産物こそないが幅広い作物が生産され農業も盛んであるため地産地消もや
りやすいと思われる。最近話題のレモングラスについても市を挙げて取り組まれているが、発端は嬉野で市議を務める茶生産
者が樋渡市長に提案したのが始まりだ。地元で生産されたレモングラスやイノシシ肉を武雄温泉の旅館・ホテルにて提供す
る。発想は理解できるし、地産地消の狙いもあるだろう。しかし主役となるべき旅館・ホテルの意向や経営コストとの兼ね合
い、何よりも武雄温泉に来てくださる観光客の方々の反応はどうだろうか。山間部に位置する温泉地ならともかく盆地で近代的
なまちなみもある武雄温泉に来てイノシシを食べたいと思うだろうか。イノシシ肉よりも若楠ポークの方が好まれはしないか。そ
んなことを思いながら地産地消のあり方を考えている。嬉野温泉の旅館・ホテルでは10月から100%地元産の大豆を使った
温泉湯どうふの提供が始められた。嬉野温泉湯どうふとは、嬉野温泉のやわらかく、なめらかなお湯と豆腐のにがりが絶妙に
マッチした嬉野温泉ならでわの逸品で健康にも良く、観光客に人気が高い。ところが人気が高まってくるとあちこちに湯豆腐の
まがいもの商品が出てきたり、市外業者に商標登録までされるなど嬉野の方々が永年磨き、築き上げてきたブランド横取りや
市場の侵食が行われるようになってきた。
地域には、歴史や文化、伝統があり、地域が培ってきた遺伝子があると思う。ブランドづくりはビジネス面での独占や他地域か
らの締め出しを狙ったものではなく、嬉野という地域には多くの観光客が来てくださり、温泉湯どうふも召し上がっていただく。
せっかく嬉野に来てくださる観光客から嬉野という地域、観光地として預かる憧れや信頼に対してどう答えていくかということを
考えるときにまがいものは出せない。つまりいかに儲けるかではなく、観光地としての嬉野温泉に来てくださるお客さんの憧れ
と信頼に答えるためにもブランドづくりは譲れない。
嬉野温泉観光協会では2年前から嬉野温泉湯どうふ振興協議会を立ち上げ、ブランドづくりのため安全、安心で高品質の地元
産大豆の使用やラベル、パッケージの統一など様々な協議が重ねられ、地元産大豆の使用や市で所有する商標を使用した
パッケージの使用などが定められてきた。
これを実現に至ったのは嬉野温泉観光協会と嬉野温泉旅館組合の2団体のトップを務める嬉野温泉観光ホテル大正屋常務
取締役山口保さんの卓越した指導力と先見性によるものが大きい。温泉湯どうふについては永い期間独自に研究され著書ま
で書かれるほどでその知識、経験は他の追随を許さない。
嬉野温泉湯どうふの振興については、観光事業者を中心に民間事業者の方々のたゆまぬ努力によるところが大きく、行政は
側面からの支援にとどまっている。しかしそれでいい。それが本来のあり方で現場とのギャップはない。行政が何かを行って現
場に持ち込むのではない。行政と距離をおくのでもない。むしろ行政に対して働きかけを行わなければならない。
誰のためのブランドづくりか。誰のためのまちづくりか。それを念頭におき常に自主性を貫くことがポイントだ。
行政に頼るなではなく、行政にあまり頼るなということを感じている。
Posted by 嬉野温泉 at 15:42│Comments(0)