ブログにはプロフィールを公表する人が多い。しかし自分には公表するような肩書きや経歴はないし過去の自分で勝負するような人間にはなりたくない。気づいたこと感じたことを自由に書き込んでいきたい。

2008年10月12日

武雄温泉共同浴場

武雄温泉に行った。
武雄温泉楼門の公衆浴場には嬉野から近いということもありよく出かける。
このブログを見ているヤツが自分が武雄温泉を嫌っているとか樋渡市長に
挑戦しているのかと聞いてきたがとんでもない。
武雄温泉には、一週間に1回は行くから武雄市民より多いかも知れない。
道後温泉とともに国の重要文化財に指定されている武雄温泉楼門は共同浴場
として由布院の下ん湯や長湯温泉の御前湯などよりはるかに風情があり、
歴史ある温泉地としての佇まいを感じさせる。

 昔、地域における情報交流は今とは比較にならないほど限られていたが、
それだけに自分たちの地域にある宝をしっかりと大事にしてきた。
温泉や歴史のある建物は地域の自慢でもあり誇りでもあった。
しかし高度経済成長や時代の流れにおされて誇りを忘れた結果、歴史ある建物は
壊され、地域に縁のないものをつくってしまった。このことを悔いるべきだ。
温泉手形や露天風呂、足湯など人気のあるしくみや形を真似るのは簡単だし、
喜ぶお客さんも多い。
黒川温泉のように目覚しい発展を遂げた地域もあり、目に見える成果もある。
しかし目に見える成果を真似るだけでは誇りにならない。文化的な蓄積がない。
今、各地で起きている地域資源活用の動きは地域の誇りを取り戻す動きでもあり、
国においても経済産業省により、具体的な政策が打ち出されている。
これからは人々の心や関心が目に見えるものから目に見えない価値へと向かって
いるように感じている。
お客さんのニーズにあわせ、お客さんを喜ばせるためにと変化を続けてきた温泉地は
お客さんに一生懸命だった。しかしそれでは足りなかったということを実感している。
これから必要なのは、地域の誇り、思い入れやあるべき姿、想像力なのではないか。
建築物だけでなく地域の風景についても然りだ。

武雄温泉にはこれらの誇りが集積した立派な共同浴場がある。
共同浴場は単に温泉がある銭湯としての役割ではなく、複合的な癒しの場であり、
文化が生まれ人間が育つところだ。
地域の人々が大事にし、誇りにしているものに観光客が憧れ訪れる。
今の観光客が求めているものは、地域に根付く日常の生活文化とそれらが醸し出す
総合的な癒しの場なのではないだろうか。
これからは観光客を呼び込む仕掛けよりも地域の暮らしぶりが求められる。
今嬉野でも共同浴場「古湯」の再建が進められている。
再建にあたっては温泉文化を長い間大切に守ってこられた武雄温泉の取り組みに学ぶ
ところも多い。
にっぽんの温泉100選では嬉野温泉が19位、古湯温泉が87位で武雄温泉はランク外。
持っている素材や温泉文化の集積、樋渡市長を中心とする市行政の努力などを考慮すると
不本意でこんなもんじゃないだろうというのが自分の意見。
武雄温泉の観光関係者にはすばらしい財産を持っていることを再認識しながら皆で力を
あわせ官民一体となって協力して発展していかれることを切に願っている。

今各温泉地で起きている地域の魅力見直しの動きは地域で財産を共有し皆で大切に守る
ことと地域で人を育んでいくことにつながる。地域の遺伝子をどう未来につなげていくか。
今の日本の税制度では金儲けして財産を残してもあまり子孫のためにならないらしい。
子孫の未来を考えるならばすばらしい地域を残すことこそが重要だ。
まだまだ若輩者で子孫を残す立場にはないがいつも遠くを見つめて頑張っていきたい。





Posted by 嬉野温泉 at 02:10│Comments(0)
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