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Posted by さがファンブログ事務局 at

2011年03月08日

九州新幹線開通に思う。

九州新幹線鹿児島ルートの全線開通も間近、各報道も賑やかになってきた。

佐賀新聞では県内各地の取り組みについて取り上げられている。

我が戦友も新鳥栖駅から新大阪駅まで試乗会と旅行会社への営業に出かけられた模様。

嬉野温泉では九州新幹線利用者に宿泊料を2割引きするキャンペーンを実施するとの

ことで、自分も短区間乗車して協力しようとも考えたが開業時とはいえあまりにも

情けない、無駄遣いな取り組みゆえに多分利用しない。

唐津市ではPR予算1千万円、武雄市は旅行商品企画料を出す制度、有田商工会議所では

関西地区において有田陶器市のチラシ配布など。動きがでているが鹿児島や熊本など

「縦のライン」ほどの盛り上がりがないとの報道。

どこも九州新幹線に合わせた姑息な取り組みや間に合わせのチラシ配布等打ち上げ花火が多く、

ブームが過ぎれば関心も薄れる。

佐賀県の場合、お客さん目線で考えると菊池温泉に見られる駅からの二次交通の整備や

阿蘇ゆるっと博のような地域の良さを伝えていく工夫が必要だと思うしありがたい。

長期的にみて地域で取り組むべきことは、地域の価値をどのように高め市場に売り出していくか、

地域の価値の向上、魅力の向上、ブランド化の上に観光がある。

大事なことはその地域、地域の特性をいかに価値あるものと地域の人が理解し、売り込めるか。

人は欲しいものは高くても買う、地域の価値を高め、誘客の仕組みとあわせてお金を落とす

仕組みを作ること。

地域の価値をどう高め、来てくださる方々にとって必要なものは地域にとって何かを作りあげる、

ブランド化の必要が出てくる。

観光にあっては当然のことながら売れない商品は作らない。儲からない安売りはしない。

価値を認めてもらうにはどうすればよいかを真剣に考えるべきだと思う。

その土地ならでは、その土地らしさの表現が必要だ。

自分が注目している北海道のある温泉地では町民が町内の宿泊施設を利用した場合に支援する

制度を設けている。つまり嬉野の場合とは逆の戦略。

人口約8,500人、年間宿泊客数28万人ほどの町で、この制度を利用した町民が9ヶ月で

1,300人を超えている。

条件として「町民の税金を活用するため町民以外の方は利用できません」とある。

これはものすごい戦略だと思う。

単に28万人のうちの1,300人ではない。8,500人のうちの1,300人。

実に町民の15%に相当する方々が短期間で利用したことになるわけで、この方々が地域の温泉を

はじめとする地域の自然環境や伝統文化に改めて理解していただく機会を得ただけでなく、

遠くから来ていただく方に身近に地域のことを語れる強みを有している方々、つまり地域観光の

応援団を短期間で1,300人も獲得したことになるとも考えられるからだ。

観光客のニーズが多様化している。そして触れ合いや癒し、あるいはゆとりなどを求める人が

増えている。それは結局、住んでいる人が心地よいと思える。誇りに思える地域に人は訪れる。

だからこそ、地域づくりと観光を一体的に進めることが重要だ。

地域の方々が地域資源を見つめ直して、それを大切にする、訪れた方々に心づくしのおもてなしで

満足して帰っていただく、地道な取り組みによって成果を上げていくことが大事だ。

地道な取り組みゆえに、時間と労力を要するけれども必ずいい方向に進んでいく。

それが今、観光に求められているニーズだからだと思う。

一方、しっかりと地域づくりを行うという取り組みの方向性は正しいけれども、そればかりでは日々の

観光客はなかなか増加しない、もっとPRにも力を入れるべきとの意見もある。

このPRもいいものを売り込むために大変大事なことだと思っている。

九州新幹線全線開通にあわせ、しばらくはそれぞれのPR戦略を競うことになるだろう、

しかし打ち上げ花火は続かないし、メディアも新しいところしか取り上げない。

九州新幹線の開通を一つの三角点にして、これから2018年新幹線長崎ルート開通に向けた動きに

目を向けたとき、社会資本整備を含めたハードの充実が必要で過去の施設レベルではもはや対応できまい。

公の社会資本整備と民間の投資に対する優遇措置など、施設レベルを向上させる必要がある。

将来を見据え、自分たちの感性を磨いたり、おもてなしをするという姿勢を崩してはいけない。

いい観光地を作るため、地域の人が心を合わせていくこと。

経済活動は民間に任せたほうが良いが行政は長期的な価値を作らないといけない。

観光地としての永続的な価値を作っていくべきと考える。

行政は、太い方針を持って長期的な展望を示していくべきで意欲のある民間人が出てくる仕組みや

やりやすい環境を作っていくべき。

国の揺らぎそのままに揺らぐ地方であってはならない。

観光の目的は明らか。地域の歴史・自然・暮らし・文化を通じて、それを楽しみに来ていただいた

お客さんに喜んでもらうこと。そして究極の目標は観光客に対する満足の提供。

観光を目的化するのではなく、観光を通してそこに住む人々や関わる人々が地域に感謝したり、

住んでいる意味を感じられるかが大事だ。

地域住民に、観光産業や観光事業のことを理解してもらわないと、地域の総意として観光振興に

取り組むことはできない。

観光客の動きや流れは観光動線に左右される。

地域間競争が激しくなっているなかで九州新幹線全線開通に沸く南九州の目線を西九州、佐賀、

嬉野へと引き寄せるためにも観光動線の優位性も視野に入れながら魅力ある地域をつくらねば

ならない。

「目的地を持たない船に追い風は決して吹かない」

まず、目標を定めての自助努力があって初めて周りの支援を頼んだり、運を期待することができる。

今年から嬉野は大きく変わる。今まで眠っていた嬉野の底力に大きな期待を寄せていきたい。

  

Posted by 嬉野温泉 at 00:11Comments(3)